「朧月夜の 花の光に」

 

「この世には 忘れぬ春の おもかげよ

          朧月夜の 花の光に

               式子内親王 」

   月影の 朧な庭に

   糸桜が 爛漫と咲き乱れ

   花明かりは 我が白絹さえ

   薄紅色に 染めて行く

   わたくしの あのお方への想いも

   淡く紅(くれない)づいていたのに

   あのお方は 御法(みのり)の道へと

   静かに 歩み去ってゆかれる

   わたくしに 残されたのは

   この朧月夜と 花明かり

   あのお方の 面影が

   まぶたに 浮かび

   忘れえぬ わたくしの秘めた恋

   法然上人どの...

小石川後楽園の枝垂れ桜(入口)



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