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「恍惚と」

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  「恍惚と 萬燈照りあひ 瞬きあひ            橋本多佳子 」     この恍惚に浸っている俳句は、きらびやかに美しい 萬燈会は写真でしか見たことはないが お寺の境内に煌めく萬燈の美的恍惚が 宗教的な恍惚と重層化され 得も言えぬ法悦に浸っているのであろう そして作者は一人のみなのか それとも二人連れなのか 薬師寺の萬燈会

「存命の喜び」

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  「人、死を憎まば、生を愛すべし。存命の喜び、日々に楽しまざらんや」              吉田 兼好 『徒然草』 中野孝次がその著作『清貧の思想』で、 この兼好の言葉を挙げている。 まさにその通りであるが、まだ社会で現役の頃には、 我々凡人は、健康に今生きてあることの喜びなどは 思わずに、 ただ日常的な卑近な事柄に振り回されて 齷齪してきた。 そして今毎日が日曜日の日々に在って、 果たして「存命の喜び、日々に楽しまざらんや」 を成し得ているであろうか。 姫路 書写山圓教寺