「文章の気合」
「美」ということについて、これほど直截に、さわやかに語った人が他にあるだろうか。白洲さんの文章は、練達の剣士の剣舞を見ているような味があった。風に揺れる花のようだが、近寄ると切られるという気合がこもっていた。日本のすべての人に読んでいただきたい書物である。
河合隼雄
白洲正子の文章には、独特の切れ味がある。
白洲正子にインタビューを受けるのを怖がったまやかしものの人間にとっては、その文章で本質を突かれれば、満身創痍にならざるを得ない、そういった切れ味である。
それが我々第三者には、極めて小気味がよいものとして感じられる。
そこには本質を抉り出そうとする気合が篭っている。
作文そのものが、いってみれば薩摩示現流の真剣勝負なのである。
武相荘の書斎
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