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「夜這星」

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  「星はすばる ひこ星 ゆふづつ よばひ星 すこしをかし」            清少納言 「枕草子 」 星と言えば平安時代よりすばる 昴は統(す)ばるに由来し プレアデス星団をさすという 次いでひこ星は彦星 七夕の伝説の牽牛星であり わし座の一等星・アルタイル ゆふづつ(夕星)は金星 宵の明星であり 長庚という 蕪村は 長庚 とも号した よばひ星は夜這星と書き 流星のこと 夏山の金銀砂子の星空に 横たわる銀漢 その銀漢をよぎるほうき星ほど 「おかし」いものはない

『陰翳礼讃』

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  「暗い部屋に住むことを余儀なくされたわれわれの祖先は、いつしか陰翳のうちに美を発見し、やがて美の目的に添うように陰翳を利用するに至った。事実日本の座敷の美は、まったく陰翳の濃淡によって生まれているので、それ以外に何もない。」           谷崎 潤一郎  『陰翳礼讃』 うす暗い畳の日本間に 障子を通して 陽光が射し込んでくる光景に こころやすまる思いをし 射干玉の暗闇に 蝋燭の弱い光に照らされた 金屏風に美を感じるのが 大和心の美意識ではなかろうか