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「うつつ 二首」

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うつつには 逢ふよしもなし 夢(いめ)にだに  間なく見え君 恋ひに死ぬべし         詠人不知 万葉集2544」 万葉仮名 「寤者 相縁毛無 夢谷 間無見君 戀尓可死」  うつつ(現実)には 愛しい汝(いまし)と とても逢うすべがございませぬ それ故せめて夢の中にだに 間を空けずにお逢ひ下さいませ さもなくば、汝(いまし)への恋ひしさに 吾(あ)は儚くなるやも しれませぬ もう一つ「うつつ」で好きな和歌です。   逢ふと見て 現(うつつ)の甲斐は なけれども  儚きゆめぞ 命なりける            藤原顕輔(金葉和歌集) 恋しいあの方にやっとお逢い出来たと思ったら それはうつつのことではなく、夢であった   実際にはなかなかお逢い出来ないあの方だからこそ   恋する私にとってあの方の夢を見るとこは   儚いことであってもまさに命そのものとも言えるのだ 。