「木曽殿」
義仲の寝覚めの山か月悲し 芭蕉 木曽殿はただ一騎、粟津の松原へ駆け給ふ そして鎌倉勢の矢に倒れる 義仲のどこに魅かれるかといえば 誰しもが最後は一人だ という感慨ではないか 葉室 麟 『京都再見』 大坂の御堂前で亡くなった芭蕉が 指定した墓所は膳所の義仲寺であった 膳所の義仲寺を訪ねたが 何故義仲寺なのかは 判然としなかった やはり葉室麟の言うように 誰しもが最期はひとりだ との思いからであろうか 「無量寿経」に 「独生独死独去独来」とある