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1月 28, 2021の投稿を表示しています

「鬼 女」

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  「この樹登らば      鬼女となるべし      夕紅葉     三橋 鷹女  」 夕陽は 西山に沈みかけ 深紅の紅葉は まさに  燃えんとする色 わたしの こころも からだも 夕陽と 夕紅葉に 染められて ああ 今なら なれるだろう 日常的な すべてを 捨て去り わたしの うちなる  烈しい 魂(たま)そのものに この樹に 登れば あの 戸隠山の  紅葉姫のように 鬼女に  戸隠山の鏡池

「旧大臣家の権力奪還」

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「故大納言の遺志で、桐壺更衣は後宮に入り、桐壺帝も左右の大臣家からの縛り付けに対する抵抗として、桐壺更衣を寵愛したのではないか」                 秋山 虔 桐壺の更衣と明石の入道はいとこ同士である。 明石の入道の父親が大臣で、桐壺更衣の父親が大納言。 この両家のもととなるのは故大納言の旧大臣家で、現在の左右の大臣家の以前に栄えた旧大臣家という設定である。 その旧大臣家の権力奪還の物語が、「源氏物語」の前編とも言えようか。 まず桐壺の更衣が死を賭して光源氏を産み、又いとこ同士の明石の上と交わって、明石の姫君を作って、今生帝に入内させる。 旧大臣家の権力奪還は、これにより成し遂げられたのである。   明石の中宮

「ふらここ」

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  「秋千や 桜の花を 持ちながら             小林一茶 」 ぶらんこはふらこことも呼ばれ 漢字では鞦韆とも秋千とも書くようである その起源はギリシャにあるらしく アレキサンダー大王の東征と共に 中国にも渡った 蘇東坡の詩「鞦韆院落夜沈沈」 ヨーロッパではローマを経て 十八世紀のロココ派 ワット-やフラゴナールの絵に 有名である フラゴナール 「鞦韆」

「シャイニング・プリンス」

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 「物思ふに立ち舞ふべくもあらぬ身の    袖うちふりし心知りきや」        光源氏        藤壺の宮への和歌   光源氏は英文では Shining Prince というそうである。 Translated by Ivan Morris.   「光るの君」と呼ぶときと   「 SHINING PRINCE 」の響きの違い。   「光る」には、ただ単に光り輝く以上の  崇高な神的なニュアンスもあるが、   「 SHINING 」となると   ただ光り輝いているというイメージ    になってしまうのは、    こちらの語学力の問題なのであろうか。 源氏物語 柏木

「忘るなよ」

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  「忘るなよ 藪の中なる 梅の花              芭蕉 」    忘れ去られたかのように    藪の中で ひっそりと咲く    白梅の 密やかさ    目立たない その梅の花の    爽やかさと 薫香のごとき香り    ひとり静かに 矜持心を持って