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 「うめ 六句」

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  忘るなよ 藪の中なる むめの花              松尾芭蕉   世ににほへ 梅花一枝の みそさざい            松尾芭蕉   しら梅や 誰がむかしより 垣の外            与謝蕪村   散るたびに 老ゆく梅の 木末かな            与謝蕪村   梅が香の 立ちのぼりてや 月の暈            与謝蕪村   梅咲や せうじに猫の 影法師             小林一茶   梅さけど 鶯(うぐいす)なけど ひとり哉             小林一茶   この六句の中では、やはり蕪村の   梅が香の 立ちのぼりてや 月の暈 が好みである。   蕪村と言えば六五歳の時に   祇園の芸妓小糸に入れ込み、   門人から注意を受けて、   老いらくの恋を断ち切ったらしい。   老が恋 忘れんとすれば 時雨かな  蕪村   詳しくは葉室麟の『恋しぐれ』をお読み頂きたい。