「鬼 女」

 「この樹登らば 

    鬼女となるべし 

    夕紅葉


   三橋 鷹女 」



夕陽は 西山に沈みかけ

深紅の紅葉は まさに 

燃えんとする色

わたしの こころも からだも

夕陽と 夕紅葉に 染められて

ああ

今なら なれるだろう

日常的な すべてを 捨て去り

わたしの うちなる 

烈しい 魂(たま)そのものに

この樹に 登れば

あの 戸隠山の 

紅葉姫のように

鬼女に 

戸隠山の鏡池


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