「存命の喜び」

 「人、死を憎まば、生を愛すべし。存命の喜び、日々に楽しまざらんや」

             吉田 兼好 『徒然草』


中野孝次がその著作『清貧の思想』で、

この兼好の言葉を挙げている。

まさにその通りであるが、まだ社会で現役の頃には、

我々凡人は、健康に今生きてあることの喜びなどは

思わずに、ただ日常的な卑近な事柄に振り回されて

齷齪してきた。

そして今毎日が日曜日の日々に在って、

果たして「存命の喜び、日々に楽しまざらんや」

を成し得ているであろうか。

姫路 書写山圓教寺



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