「若狭なる」

若狭なる三方の海の浜きよみ 

いゆきかへらひ見れどあかぬかも

(若狭の三方湖の浜は清らかなので、

 行きも帰りも見るが見飽きることはない)

    詠み人知らず  

    『万葉集』 巻七 一一七七

常神半島の由来は神功皇后を祀る常神社によるものと言われ、半島の先にある御神島には神が宿っていて、様々な厄災から人々を守ったという。『古事記』には、神功皇后が熊襲征伐に向かう時、角鹿(敦賀)を出て淳田門(ぬたのと)で食事をしたとき、鯛が沢山寄ってきて、神功皇后がお酒を与えると鯛がまどろんで皆浮かんできたという。それ以来、常神半島辺りでは五月になると鯛がよく釣れるという「まどろみ鯛伝説」があるという。神功皇后は息長一族に属しており、古代には近江国坂田郡を根拠地にして、若狭や敦賀一帯を治めていたという。

以下は私見であるが、神功皇后の神から由来しているという説明も肯けるが、表日本であった若狭一帯は朝鮮半島からの入り口でもあり、常神や神子という名前についている神は、韓の国からの渡来人を神として受け入れたという背景もあったのではなかろうか。

 

常神半島

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