「万葉集の歴代歌人」

 「人麻呂の歌は、旅と挽歌をその内容とするものが多い。人麻呂の悲調は、挽歌はもちろん、旅の歌においても鎮魂のふかい声をなしていることから来ており、そこに人麻呂の古代性を読み取ることは容易であろう。この伝記不明の宮廷歌人は、また巡遊歌人の面影をも合わせ持ち、彼において、芸術は呪術の伝統と固く結びついていたことが思われるのである。」

   上田三四二 「私の古典鑑賞」

柿本人麻呂 = 呪言の続きのような
        重々しい歌

高市黒人  = 繊細な詩心による
        風景の客観化

山辺赤人  = 自然鑑賞による
        叙景歌

山上憶良  = 知識人として
        社会を見る目の新しさ

万葉棹尾の歌人
大伴家持  = ほとんど近代の憂愁
        に通うような細みの抒情


高松塚古墳 壁画


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