「萩こぼる」

 「いにしへの 女人の歎き 萩こぼる」


             伊藤 敬子

いにしへ

世は平安王朝から

鎌倉幕府へ

壇ノ浦に入水して果てた

資盛を偲んで

数々の歌を詠じた日々

建礼門院を訪れた寂光院の

その庭に

はらはらと

涙のように散る




「なべて世のはかなきことをかなしとは
    
   かかる夢見ぬ人やいひけむ」

      建礼門院右京太夫

        (家集223





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