「人生(LEBEN)」

 Leben人生)は

Prozess der Reinigung(浄化の過程)

として初めて意義あり

Reingungの目標は

Das Gute, Das Schöne.(善と美)

   阿部 次郎 『三太郎の日記』


子供から大人へと孵化しえたのは

『三太郎の日記』と邂逅することが

出来たからであった

人生について多少とも

考えるようになったのは

この本が契機となった

最も純真な年代に読書という

疑似体験で清濁混淆の人生を知り

そうして社会人となって

濁世の喜怒哀楽を味わってきた

半生を回顧すれば世俗の塵芥を

払いのけてきたのは

文藝による浄化ではなかったか

そして

善くなろうとする祈り

美しく生きたいという矜持

であったかもしれない

サント・シャペル シテ島 パリ








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