「桜月夜」

 清水へ 祇園ををよぎる 桜月夜


  こよひ逢う人 みなうつくしき

         与謝野晶子

 

 

独身で

 

大阪は淀屋橋勤務の頃

 

仕事を五時に終えて

 

四人の仲間と

 

京阪電車に乗って

 

円山公園の枝垂れ桜を

 

愛でに行ったことがあった

 

赤い毛氈を敷いた酒席で

 

満開の枝垂れ桜を見上げながら

 

日本酒の盃を重ねた

 

忘れ得ぬ

 

桜月夜の

 

花浄土

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