「あかあかや月」

「あかあかやあかあかあかやあかあかや

     あかあかあかやあかあかや月

            明恵上人 」


     中空に かかる 金色の月

     この 栂尾(とがのお)の 

     石水院(せきすいいん)の
縁側に


     ひとり 座禅して

     月の光に このからだと 

     こころを 曝す

     ああ 天上天下

     あるのは 

     ただ 月と 吾(われ)

     そうして 月も 吾も

     阿留辺畿夜宇和(あるべきやうわ)

     吾の魂は浮遊して
 金色の月となり

 
     月もまた吾に入り込み 
吾そのものとなる


     すべては

     あかるく あかるく あかるく

     そして ひとつに


       

明恵上人樹上の図

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