「人間をつくる」

 「人間をつくると言うこと以外のところに、

 人間としての仕事はないということ」

 白洲正子(一九四八年)

  「たしなみについて」

 

人間をつくる

自らの人間をつくり 伴侶の人間をつくり 

子供の人間をつくり

そうして 自分の 身の回りの人間をつくる

だが 我々凡人には 自分以外の 

人間をつくることは

多分 不可能であろう

ならば 為すことは ただひとつ

自分の人間を つくること

そうなのだろう

人間は 何年もかかって 

このことに気づくのだ

しかも ほとんど 

人生の 終わりに近づいた頃に

しかし 白洲正子は 

これに四十歳少し前に 気づいた

これが 彼女が 六十歳以降に 

大きく 花開いた

その根本とも いえよう

われらも これを真似び 倣い 

白洲正子に 導かれて 歩もう





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