「そうしましょうね?」

そうしましょうね? 

 愚か者や意地悪い人たちが、

 私たちの幸せを妬んだり、

 そねんだりするでしょうが、 

 私たちは出来るだけ高きにあって、

 常に寛容でありましょうね。

 

 そうしましょうね?

「希望」が微笑しながら示して呉れる

 つつましい道を、

 楽しくゆっくりと

 私たちはゆきましょうね、

人が見ていようが、

または知らずにいようが、

そんなことにはかまわずに。

 

暗い森の中のように

恋の中に世をのがれて、

私たちふたつの心が

恋の甘さ楽しさを歌い出すと、

夕ぐれに歌う二羽の鶯のように

聞こえるでしょうね。」


   ポール・ヴェルレーヌ 

  「そうしましょうね?」(N’est-ce pas?)

     『やさしい歌 一七』(La Bonne Chanson) より


現代の人類が忘れたものばかりで

このポエムは作られている

気高さと寛容 

希望と慎ましさ

隠棲と洒脱

そして

小夜鳴き鳥





 

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