「花筐」

花がたみ 目ならぶ人の あまたあれば

   忘られぬらむ 数ならなくに

        詠人不知 

花かごのなかに

並んでいる花のように

あなたさまには

沢山の女人がおいででしょうから

ものの数に入らないわたしなど

もうお忘れでございましょう

 花筐は男大迹王(継体天皇)を慕って

 形見の花筐をもって都へと

 狂い出た照日の前がシテの狂女物の

 世阿弥作。

上村松園 「花筐」



花かごの中にいろいろと花があるのを選ぶように、選べる相手がたくさんいるので、忘れられてしまったのでしょう、物の数にも入らない私は

 


花がたみ  目ならぶ人の  あまたあれば  忘られぬらむ  数ならぬ身は

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