「空ぞ忘れぬ」

時鳥そのかみやまの旅枕 

    ほのかたらひし空ぞ忘れぬ

      式子内親王

「花にもの思ふ春」と言う白洲正子の本の題名は、式子内親王の歌から取っており、それを又私はこの詞華集の名前としたものである。

白洲正子に可愛がられた水原紫苑は、上記の式子内親王の和歌から自分の本の題名を、「空ぞ忘れぬ」としている。

九百年前の和歌が、こうして現代の文学に蘇るとは、言葉の力の何と強靭なものであろう。

上賀茂神社


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