「幸せな人になる為には」

「世の中には、蕪村を知っている幸せな人と

 蕪村をまだ知らない不幸せなひとしかいない」

 という文章を、

 森本哲郎の「月は東に-蕪村の夢・漱石の幻」

 で読んだ記憶があります。

 森本哲郎と私自身の美的感覚が近しいのか、

 彼のこの本で、すっかり蕪村のファンになったのは、

 もう随分前のことでした。

「愁ひつつ 丘に登れば 花いばら」

 この句を読んだときなど、

 これはあたかもゲーテの

「童は見たり 野中のばら」

 の世界ではないかと、思ったものでした。

 郷愁の詩人「与謝蕪村」が、

 いかに純粋な心と温かい歌唱力を

 生涯持ち続けていたかが、

 これらの句でもよく判ります。 

野ばら


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